彼のあの目が好きだ。彼の陽の匂いのする髪が好きだ。彼の困ったように笑うあの顔が好きだ。彼の剣を握る手が好きだ。
きっと、訊かれれば上を見て切りが無いほどの思いが確かにある。
決して短くは無い時を重ねそれを易々と口にするほどもう自分は子供ではなくなってしまったけれど、時たま自分を見つめるあの蒼穹に真実を告げたくなる。
「なあ、なんでいつも俺が説明役なんだ?」
「……そうですねえ」
純朴に問われたその声に浮かべた思案顔はあくまで体裁。答えなど問われる以前より明らかで。
「貴方の声が好きだから、」
「……は?」
「ですかね」
一拍の間と共にいつもと同じ笑みを敷いて返せば、彼が浮かべるのは心中をありありと表した胡乱気な表情。
「嘘臭え……」
「心外ですね。これでも"自分にも人にも誠実に"が私の信条ですよ」
「そういうことさらっと言うから余計に嘘臭いんだよ」
呆れ混じりのその笑みに見えるのは仲間故の親しみ。それに反響するかのようにころころと小さく胸が鳴った。
百のまやかしに混ぜるのは偽りの無い一つの事実。
今はまだこのままで。
古のサイトログ そのに
200602XX