朝起きてまず考えるのはあなたのこと。
きっと昨日も夜遅くまで起きて試合のDVDでも見てたのかなとか。夢で触れて囁いて抱きしめたあなたのにおいややわらかさだとか。一人で寝るには大きすぎるダブルベットに、タッツミーがここにいればよかったのにとか、そんな埒もないことを思ってはそれをひとつひとつメールにしてあなたに送ってみる。
クラブハウスに付いたら一番にあなたを探して頬にあいさつ変わりのキスをひとつ。
ボクは人目なんて気にしないけれど、意外と世間の常識とかモラルとかを気にするあなたの為に今のボクは軽いキスひとつにさえも細心の注意を払ってる。
以前、人前でしてしまった時にあまりにも不満そうな顔をするものだから「キスくらい別にいいじゃない。頬へのキスくらいみんな気にしないよ」なんて言ったことがあったけどあの後ボクは本当にひどい目にあった。
だってあの時はそれ以降一週間、人目があろうとなかろうと口どころかいつもの頬へのキスさえさせてくれなかったのだ。
あれは本当に堪えた。二十六年のボクの人生であんなに辛い一週間はなかったって断言さえ出来る。
オフの前にはボクのお気に入りのレストランに誘って、あなたの機嫌が良ければそのまま自分の部屋に連れて帰ってみたり。あなたがボクの部屋に来ることなんて本当に少ないけれど、その数少ないいつかの為にボクはいつだって最高のアフターディナーを用意してる。
会えない日には電話だって忘れない。タッツミーの声が聞きたかったんだよ、なんて言ったところで喜んでくれるような人ではないけれど、だってそれがボクの本心なんだもの。できるだけ声が聞きたいし、できるだけ顔が見たい。ほんの少しでいいからあなたと一緒にいたいんだ。
ボクがあなたのことを考える十分の一でいい。十分の一だけあなた中にボクのことを考える時間を作ってくれないかな。
寝ても覚めてもっていうのは決して嘘じゃない。下手したら夢の中だってあなたのことを考えてる。
ボクの中はこんなにもタッツミーで満たされてるのに、タッツミーの中にボクがいないなんて不公平だと思わないかい?
ねえ、だからそんな不思議そうな顔でそんなこと聞かないでよ。
「あのさ、なんでお前そんなにマメなわけ?」
ぜんぶぜんぶ、あなたのことが好きだからだっていい加減気づいてくれないかな。
手ブロメインで活動してた当時、唯一書いたジャイキリ(ジノ→タツ)小話。
20100826